第一章 透明な世界~記憶の情景~
少し間が空いてしまいましたが、今回の展示の作品解説をしたいと思います。
今回の展示は9枚組みでした。
構成は3部構成で、3枚ずつ物語が展開されます。
第一章は”透明な世界”。
空や透き通るイメージを強く表現したいと思い、
そういう被写体を撮ってみました。
言葉のリズムも大切にしたかったので、「Shala-la」という
言葉に意味は無かったのですが、音でタイトルに決めました。
展示も普通の並べ方ではなく、少しでもリズムを感じてもらえるように
変則パターンで構成しています。
一緒に付けた詩は下記の部分です。
「ある日の未来
過去への扉が開くとき
透明な記憶の輪郭をぼんやりと
歩きはじめる
Shala-la
――――白昼夢。
真昼の花火
遥か遠くを見渡す千里眼
遠く遠く 高く高く
Shala-la
耳を澄ませば 遠い過去への憧憬の調べが
聞こえてくる」
最初の三枚組みは物語の導入部です。
1枚目の観覧車は
自分の過去の思い出にタイムスリップしていくような
イメージを表現しています。
見つめるうちにすぅーっと意識が透明になっていく
そんな感覚を持っていただければと思いました。
多重露光でイメージを織り重ねたのもそのためです。
2枚目は”遠くを見渡す千里眼が見た風景”を
表現したかったので、空の部分を上に大きくとりました。
空の高さを表現するには東京タワーがいいと思いました。
当初考えていた風景は下記のプリントの色合いでした。
何かが起こりそうな予感、ドラマチックな空。
1枚で見る分にはいいなと思っていたのですが、
組写真に仕上げるときに、観覧車と組むことが決まったので、
あっさりとしたイメージを踏襲した「白いプリント」を採用しました。
3枚目は光と影がぼんやりと絡み合う風景ですが、
ぼんやりとした中から、過去を見て、その先を未来を見つめる
そんな絡み合う時間を表現したものでした。
ここから続く第2章への導入の1枚でもあります。
起承転結 という くくりでいうと 第一章は「起・承」にあたります。
第2章が動的な内容になっています。その前の「静」を表現しました。
そして、次回へ続く。。。。
P・S 写真展のプリントをお送りするお約束をした方、発送が遅れておりまして
誠に申し訳ありません。平日と週末がバタバタでなかなか準備ができませんでした。
今週末ぐらいには発送できそうですので、もう少しだけお待ちくださいませ。m(__)m
by t-rollei
| 2007-04-15 21:22